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原状回復工事とは?費用相場から流れ、業者選びのポイントまで徹底解説 

オフィスの移転や店舗の閉鎖が決まった際、担当者が必ず向き合うことになるのが「原状回復工事」です。賃貸物件を退去する際には、入居前の状態に戻すことが求められますが、「どこまでが借主の負担なのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった疑問や不安を抱える方も少なくありません。

この記事では、

まで、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーが分かりやすく解説します。 

原状回復工事とは?基本的な知識を解説

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原状回復工事は、単に「元に戻す」だけではなく、その範囲や費用負担について一定のルールが存在します。まずは、その基本的な定義と、判断基準となる国のガイドラインについて理解を深めましょう。 

原状回復の定義と目的 

原状回復とは、賃貸物件の契約が終了し退去する際に、借主の故意・過失によって生じた建物の損耗や毀損を復旧し、入居時の状態に戻すことを指します。目的は、次の入居者が問題なく使用できる状態に物件を戻し、オーナーの資産価値を維持することにあります。

ただし、ここで重要なのは、完全に新品同様の状態に戻すことではないという点です。普通に生活したり、事業を営んだりする中で自然に発生する汚れや傷(経年劣化や通常損耗)については、原則として原状回復の義務に含まれません。 

参考:e-Gov法令検索「民法第621条(賃借人の原状回復義務)」 

「原状復帰」との言葉の違い 

「原状回復」と似た言葉に「原状復帰」があります。これらはほぼ同じ意味で使われますが、厳密にはニュアンスが異なります。「原状回復」が賃貸借契約において法律的にも使われる用語であるのに対し、「原状復帰」は建設業界などで使われる建設用語です。

賃貸オフィスの退去においては、「原状回復」が正式な用語として使われます。 

国土交通省のガイドラインが示す基準 

原状回復の範囲をめぐる貸主と借主のトラブルが多発したことから、国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。

このガイドラインは、裁判例などを基に、費用負担のあり方についての一般的な基準を示したものです。ガイドラインでは、以下の2点が明確に区別されています。 

貸主負担 
借主負担 

・壁紙の日焼けによる変色 

・家具の設置による床のへこみ 

・設備の経年劣化による自然故障 

・飲み物をこぼしたことによる床のシミ 

・壁に故意に開けた穴 

・タバコのヤニによる壁の汚れや臭い 

このガイドラインは法的な強制力を持つものではありませんが、多くの賃貸借契約やトラブル解決の場で基準として参考にされており、契約内容を理解する上で非常に重要です。 

参考:国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について-住宅」 

オフィス・店舗における原状回復工事の費用相場

原状回復工事の費用は、物件の広さや業態、工事の内容によって大きく変動します。ここでは、費用の目安となる坪単価や、価格が決まる要因について解説します。 

坪単価で見る費用相場 

オフィスの原状回復工事の費用は、坪単価で算出されることが一般的です。物件の規模ごとの費用相場は以下の通りです。 

オフィスの規模 坪単価の目安
小規模オフィス(~50坪) 2万円~7万円
中・大規模オフィス(50坪以上) 5万円~15万円

小規模オフィスは比較的簡易な内装が多いため坪単価は安くなる傾向にありますが、50坪を超えるようなオフィスでは、会議室の間仕切り撤去や複雑な配線工事などが含まれるため、坪単価が上がることが多いです。これはあくまで目安であり、内装のグレードや設備の状況によって費用は大きく変わります。

費用の内訳と変動する要因 

原状回復工事の見積もりには、主に以下のような項目が含まれます。 

  • 養生や清掃など、工事全体に関わる費用
  • 間仕切り壁や造作物の撤去費用
  • クロスやタイルカーペットの張替え、塗装など 
  • 照明器具の交換や配線の撤去、空調設備の移設など 
  • 解体によって生じた産業廃棄物の処理費用
  • 現場管理費や業者の利益などが含まれる

費用が変動する主な要因には、「物件の立地や階数」「工事可能な時間帯(夜間や休日作業は割高になる)」「使用されている建材のグレード」などが挙げられます。 

見積もりを取る際の注意点 

見積もりを依頼する際は、「一式」といった曖昧な表記ではなく、工事項目ごとに数量や単価が明記されているかを確認しましょう。

詳細な内訳を出すことで、不要な工事が含まれていないか、各項目の単価が適正かを判断しやすくなります。不明な点があれば必ず質問し、納得できるまで説明を求めることが重要です。 

工事区分(A・B・C工事)の違いを理解する 

オフィスの原状回復工事には、「A工事」「B工事」「C工事」という3つの区分があり、それぞれ費用負担者と業者選定の権限が異なります。この区分を理解することは、責任範囲を明確にし、コストを管理する上で不可欠です。 

工事区分 
工事内容 
費用負担者 
業者選定者 
A工事 
建物の構造躯体、共用部 
貸主(オーナー) 
貸主(オーナー) 
B工事 
専有部内のビル指定設備 
借主(テナント) 
貸主(オーナー) 
C工事 
専有部内の内装・設備 
借主(テナント) 
借主(テナント) 

A工事:オーナーが行う建物の基幹部分の工事 

A工事は、建物の構造躯体や外壁、エレベーター、共用トイレなど、ビル全体の資産価値に関わる部分の工事を指します。工事の費用負担と業者選定は、すべて貸主(オーナー)が行います。テナントが直接関わることはほとんどありません。 

B工事:オーナー指定業者で行う設備関連の工事 

B工事は、テナントの専有部分内であっても、ビル全体の機能に影響を与える設備(防災設備、空調、給排水管など)に関する工事です。

費用は借主(テナント)が負担しますが、工事業者の選定は貸主(オーナー)が行います。業者を自由に選べないため、費用が割高になる傾向があり、トラブルの原因となりやすい工事区分です。 

C工事:借主が業者を選定できる内装の工事 

C工事は、借主(テナント)が自身の費用負担と責任において行う工事で、専有部分の内装に関わるものが対象です。間仕切りの撤去、壁紙や床材の張替え、電話線やLAN配線の撤去などがこれにあたります。

借主が自由に業者を選定できるため、相見積もりを取ることでコストを最適化することが可能です。 

→ オフィス移転コンサルに依頼できる範囲と自社の作業範囲は?依頼のタイミングや選定方法も解説

原状回復工事の基本的な流れとスケジュール 

原状回復工事をスムーズに進めるためには、計画的なスケジュール管理が重要です。解約予告期間内にすべての作業を完了させる必要があります。 

ステップ1:賃貸借契約書の確認 

最初に行うべきは、入居時に交わした賃貸借契約書の確認です。原状回復の範囲、特約事項、解約予告期間などが記載されています。この内容がすべての基本となるため、隅々まで読み込み、不明点があれば管理会社に確認しましょう。 

ステップ2:施工業者の選定と相見積もり 

C工事については、借主が業者を選定できます。複数の業者(最低3社が望ましい)に声をかけ、相見積もりを取りましょう。これにより、適正な価格を見極めることができます。

B工事についても、オーナー指定業者から見積もりを取り、内容を精査します。 

ステップ3:現地調査と貸主との協議 

業者による現地調査が行われ、正確な見積もりが作成されます。この見積もりを基に、貸主や管理会社と工事範囲の最終的なすり合わせ(協議)を行います。どこまでが原状回復義務の範囲なのか、認識のズレがないように書面で確認することがトラブル回避の鍵となります。 

ステップ4:工事の着工から完了報告 

貸主との協議が完了したら、正式に業者へ発注し、工事を開始します。工事期間中は、進捗状況を定期的に確認しましょう。すべての工事が完了したら、業者から完了報告を受けます。 

ステップ5:最終確認と物件の引き渡し 

工事完了後、貸主・管理会社の担当者立ち会いのもと、最終確認を行います。契約書通りの原状回復がなされているか、修繕箇所に不備がないかをチェックします。問題がなければ、鍵を返却し、物件の引き渡しが完了となります。 

失敗しない原状回復工事業者の選び方 

C工事の品質とコストは、業者選びにかかっています。信頼できるパートナーを見つけるための3つのポイントを紹介します。 

実績と専門性の高さを確認する 

オフィスや店舗の原状回復工事の実績が豊富な業者を選びましょう。公式サイトで過去の施工事例を確認したり、同規模・同業種の物件を手がけた経験があるかを問い合わせたりすることが有効です。

専門性が高い業者であれば、ビルごとのルールや関連法規にも詳しいため、安心して任せることができます。 

→ 働きやすいオフィスレイアウトを実現するには?事例や押さえておきたい6つのポイントを紹介

見積もりの内容が明確で詳細か 

前述の通り、信頼できる業者は詳細な見積書を提出します。項目ごとの単価や数量が明確で、なぜその工事が必要なのかを論理的に説明できる業者を選びましょう。質問に対して曖昧な回答しかしない業者は避けるのが賢明です。 

コミュニケーションが円滑に進むか 

担当者の対応も重要な判断基準です。レスポンスが早く、こちらの要望や疑問に真摯に耳を傾けてくれるか、専門用語を分かりやすく説明してくれるかなど、円滑なコミュニケーションが取れるかを見極めましょう。工事期間中は密な連携が求められるため、信頼関係を築けるかどうかが成功の鍵となります。 

原状回復工事の費用を抑えるための3つのポイント 

原状回復工事は大きな出費となりますが、いくつかのポイントを押さえることで費用を適正な範囲に抑えることが可能です。 

複数の業者から相見積もりを取る 

最も基本的かつ効果的な方法は、複数の業者から見積もりを取ることです。これにより、工事費用の相場観を養い、不当に高い見積もりを提示する業者を避けることができます。価格だけでなく、工事内容や担当者の対応なども含めて総合的に比較検討しましょう。 

→ オフィスデザインと工事の費用目安は?改装や移転の実例金額も紹介

契約書を基に工事範囲を明確にする 

賃貸借契約書を基に、本来負担する必要のない工事まで見積もりに含まれていないか、厳しくチェックしましょう。

オフィスの原状回復では、住宅と異なり、契約書や特約により経年劣化や通常損耗も借主負担とされることが一般的です。契約内容をしっかりと確認し、契約範囲を超える不要な工事は削減するよう貸主と交渉することが重要です。 

居抜き退去の可能性を貸主と相談する 

もし次の入居者が同業種であるなど、内装や設備をそのまま流用できる可能性がある場合は、「居抜き退去」を検討する価値があります。居抜きが認められれば、解体工事などが不要になり、原状回復費用を大幅に削減できます。

貸主にとっても空室期間を短縮できるメリットがあるため、退去が決まった早い段階で相談してみましょう。 

原状回復工事でよくあるトラブルと回避策 

活用されるオフィス休憩スペースのポイントは?計画をスムーズに進めるコツもご紹介

最後に、原状回復工事で起こりがちなトラブルとその対策について解説します。事前の備えが、円満な退去に繋がります。 

貸主との解釈の違いによるトラブル 

最も多いのが、原状回復の範囲に関する貸主との解釈の違いです。「通常損耗」か「故意・過失」かの判断で意見が分かれることが原因です。これを防ぐためには、入居時に室内の状態を写真で記録しておくこと、そして退去時の協議でガイドラインを基に冷静に話し合うことが重要です。 

見積もり外の追加費用請求 

工事完了後に追加費用を請求されるケースです。これを避けるためには、契約時に「追加工事が発生する可能性のある箇所」を事前に確認し、その際の対応を書面で取り決めておくことが有効です。

やむを得ず追加工事が発生した場合は、必ず事前に再見積もりを取り、合意の上で進めてもらいましょう。 

工期の遅延による問題 

工事業者の都合や予期せぬ問題で工事が遅延し、引き渡し日に間に合わなくなるトラブルです。遅延した場合、追加の賃料が発生する可能性もあります。

対策としては、契約時に遅延した場合のペナルティについて取り決めておくとともに、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。 

まとめ 

以上、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーの視点から、

について、解説しました。 

原状回復工事は、オフィスや店舗を退去する上で避けては通れない重要なプロセスです。

成功の鍵は、賃貸借契約書の内容を正しく理解し、信頼できる専門業者と連携しながら、貸主と円滑なコミュニケーションを図ることにあります。この記事で解説した費用相場や工事の流れ、トラブル回避策を参考に、計画的に準備を進めることで、コストを最適化し、スムーズな物件の明け渡しを実現してください。

オリバーでは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オフィス空間づくりにお困りの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者

PLACE2.5 マーケティング担当

オリバーのオフィス部門を専門に担当。 お客さまの悩みやニーズに耳を傾けて、働き方のご提案や情報発信を行います。

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