働きやすいオフィスレイアウトを実現するには?事例や押さえておきたい6つのポイントを紹介

「働きやすいオフィス」とは、いったいどのようなオフィスのことを指すのでしょう。
「抽象的で掴みにくいな」と悩まれている方が多いのではないでしょうか。
働きやすいオフィスとは、多様な働き方それぞれに適した空間が用意されているオフィスのことだといえます。
働きやすいオフィスにすることで、業績の上昇・採用力の強化・従業員エンゲージメントの上昇など、多くのメリットがあります。
今回の記事では、「働きやすいオフィスのレイアウトのポイントを詳しく知りたい」という方にとって役立つ情報を、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーが解説します。
上記について、詳しく解説していきます。
「働きやすいオフィス」の定義は?

ここでは、「働きやすいオフィス」の定義を「働くことに適したオフィス」ということにします。
仕事には、
- 定型的なデスクワーク
- アイデアを生み出すための思考過程
- 同僚や社外の人とのコミュニケーション
- お客さまに対してのコミュニケーション・プレゼンテーション
など、様々な種類があります。
上記のように、多様な働き方それぞれに適した空間が用意されているオフィスが、「働きやすいオフィス」であるといえるでしょう。
働きやすいオフィスレイアウト事例4選
働きやすいオフィスレイアウトのイメージを掴むために、まずは実際のオフィスレイアウトを見てみましょう。
以下は、当社オリバーが担当した、働きやすいオフィスのレイアウトの4選です。
- 株式会社働楽ホールディングス 様
- 大成建設株式会社 様(食堂)
- 株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズ 様
- オリバー 東京日本橋オフィス
1.株式会社働楽ホールディングス 様
株式会社働楽ホールディングス 様は、IT技術を用いて、主に情報インフラシステムの開発やソフトウェアシステムの開発をされています。
今回、業務拡大とオフィス環境の向上による「社員満足度向上」「採用強化」を目的として、グループ会社のIT働楽研究所 横浜事業所を移転されました。

温かみのあるカラースキームでゆったりできる空間をつくり、木やグリーンなどナチュラルをベースとして、コーポレートカラーのブルーをアクセントとして配色しました。

ヒトデ型やスネーク型などの異形デスクを取り入れ、集中して働きながらも、コミュニケーションがとりやすいデスクを採用しました。
以前のレイアウトには、個別のWebミーティングスペースがなく、Webミーティングを行いづらい状況にありました。
しかし個室ブース「CAP-CELL Lite」の導入により、気兼ねなくお客さまや社内のミーティングが実施できるようになりました。
<事例を詳しく見る>
→ 遊び心を大切にし、コミュニケーションを誘発するオフィス
2.大成建設株式会社 様(食堂)
大成建設株式会社 様は、全国に拠点を構えています。
「すべての従業員のためのコモンスペース」を目指し、誰もが使いやすく、従業員を自然に繋ぐ新たな場の創造を目的として、食堂を改装されました。

広大な1フロアの食堂を、グループ・ソロ・イベント・カウンター・ラウンジ・ミーティング・VIPエリアにゾーニングし、バリエーション豊富な家具をレイアウトすることで、利用目的に応じて自由に選べる空間を目指しました。

たとえばVIPエリアは、ダークトーンを基調にしたラグジュアリーな空間に仕上げ、他のエリアとの差別化を図っています。
<事例を詳しく見る>
→ 食堂の枠を超えた、自由に使える快適空間
3.株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズ 様
株式会社クレスコ・デジタルテクノロジーズ 様は、「ネットワーク」「セキュリティ」「クラウド」「ソフトウェア」の4つのデジタル技術と、それらを融合させた「デジタルソリューション」「テクノロジーサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つのソリューションで、様々な産業のDX実現に貢献されています。
社員間・部門間のコミュニケーションが活性化した、「従業員が出社したくなるオフィス」を目指して、オフィスを移転されました。

「社員限定エリア」と「一般業務エリア」に「リチャージエリア」を馴染ませるカタチで配置することで、コミュニケーションの活性化を誘発します。

グループで集まり、相談やミーティングが行いやすいようにデスクをレイアウトしました。
「社員同士の繋がり」というテーマを、デスクのレイアウトで表現しています。
<事例を詳しく見る>
→ メイン動線からコミュニケーションを誘発する、活気のあるオフィス
4.オリバー 東京日本橋オフィス
当社オリバーの働きやすいレイアウトをご紹介します。

社内ミーティングの頻度が増えたことから、気軽に利用できるファミレスベンチ型のミーティングコーナーを執務エリアの中心に設置しています。

そして、新区画の入口付近やマテリアルライブラリーのそばに大きなハイテーブルを設置し、マテリアルを見ながらの相談や打ち合わせ、ちょっとした立ち話もしやすいようなコーナーを設けています。
<事例を詳しく見る ※オフィス見学可能>
→ オリバー 東京・日本橋オフィス
働きやすいオフィスレイアウトを検討する際の6つのポイント

- すべての従業員の業務内容を細分化する
- 業務内容に合っていない空間に陥っていないかを確認する
- レイアウトとあわせて家具選びを工夫する
- フレキシビリティのある家具什器を取り入れることで、床面積に余裕がないオフィスでも働きやすくできる
- 業務内容は変化し続けるため、定期的に見直しを実施する
- 様々な部門の人が集まって検討することで、よりそれぞれの部門に合ったオフィスづくりができる
上記は、働きやすいオフィスレイアウトを検討する際の、6つのポイントです。
それぞれのポイントについて、以下で解説していきます。
1.すべての従業員の業務内容を細分化する

もっとも重要なのは、すべての従業員の業務内容を細分化してみることです。
細分化したそれぞれの仕事によって、「働きやすさ」は違います。
定型ワークの場合
たとえばコールセンターの定型ワークであれば、自分の届く範囲の空間をしっかり考える必要があります。
デスク上にある自分のモニターや、お相手であるお客さまとの話に集中できる環境が必要です。
デスクは「島型対向(※1)」で並べて、従業員が困った時に、管理者がすぐに気付いて反応できるようにすることが理想です。
(※1 島型対向デスクとは、オフィスで部署やグループごとにデスクを向かい合わせに配置し、横一列に並べて「島」のように見えるレイアウトのことです。)
島型対向デスクは、フリーアドレス(※2)・ABW(※3)においては不向きと思われやすいですが、先述のように従業員の「困った」にすぐ気付く必要がある場面では、とても有効です。
(※2 フリーアドレスとは、オフィス内で固定席を設けず、従業員がその日の気分や業務内容に合わせて自由に席を選んで働くワークスタイルのことです。)
(※3 ABWとは「Activity Based Working」の略で、仕事の内容や目的に合わせて、働く場所や時間を自由に選択できる新しいワークスタイルのことです。)
アイデアを考える仕事の場合
何かアイデアを考える必要があるなら、個室ブースなどによる「自分だけの環境」や、他の人と相談ができる「コミュニケーションスペース」があるレイアウトが望ましいです。
集中して何かをする仕事の場合
集中して何らかの業務にあたる場合は、周りに人がいない環境が最適です。
人がいる場合であっても、その気配を感じにくい工夫が必要となります。
ここまでの内容をまとめると、従業員全員の業務の細部・時間軸をよくイメージして、設計に落とし込むことが大切です。
2.業務内容に合っていない空間に陥っていないかを確認する
業務の内容に合っていないレイアウトは、やはり「働きにくい」です。
- 定型業務をしたいのに、カフェのような空間では働きにくい
- アイデアを考えたいのに、島型対向デスクでは働きにくい
- 集中したいのに、コミュニケーションスペースでは働きにくい
例えば上記のようなミスマッチがあると、従業員の働くモチベーションは下がってしまうでしょう。
実際に課題の多いオフィスを見ていると、「働き方が変化しているのにレイアウトがそのまま」ということもよくあります。
- オンライン会議が普及したのに、会議室の数がそのまま
- 大人数の来訪者が減っているのに、大きな会議室がそのまま
- リモートワークが主流になっているのに、使っていない給湯室がそのまま
- ウォーターサーバーを導入したのに、ボトルの置き場所を作れていない
上記のように、現状とオフィスレイアウトの間に「そぐわなさ」があると、働きにくいオフィスになってしまいがちです。
3.レイアウトとあわせて家具選びを工夫する
働きやすいオフィスにするためには、1つ1つの家具選びも重要です。
「従業員にどのように働いてほしいか」をよくイメージして、家具とレイアウトを押さえておきましょう。
ヒトデ型のデスク

「空間のシンボル」ともなるような、多角形デスクです。
執務空間を画一性から解放し、「チーム」と「個」の働き方を両立する機能を持ちます。
お互いの視線が向かい合わないため、集中して作業を行うことができ、必要な時にはチームでコミュニケーションを取りながら働くことができます。
<詳しくはコチラ(製品ページ)>
→ S・TT-G774 / S・LS-G774
スネーク型のデスク

ジグザグ型の有機的なフォルムのデスクは、自然なコミュニケーションを生み出しつつ、対面に座らないことで目線への配慮ができ、隣の人との協働も実現します。
<詳しくはコチラ>
→ TSUNAGARU SPACE
ハイポジションデスク
ハイポジションデスクは、その名の通りに高さがあるためカウンターチェアや立位での利用に適しており、後方に広い動線を必要とせず、省スペースで活用できます。
また、立って話しかけた人と目線が揃い、コミュニケーションが取りやすくなることもメリットです。
4.フレキシビリティのある家具什器を取り入れることで、床面積に余裕がないオフィスでも働きやすくできる

フレキシビリティのある家具・什器を取り入れることによって、床面積に余裕がないオフィスであっても、働きやすくすることは可能です。
ポイントは、「働き方がどう変わったとしても、柔軟に対応できる家具・什器を選択すること」です。
キャスターが付いている可動式のデスク、組み合わせで形状を変化させられるデスクなど、適した家具・什器は多様にあります。
たとえば以下の台形テーブルは、2台組み合わせることによって、六角形のコミュニケーションテーブルになります。
さらに、使わない時は折りたたんで収納できるため、余分なスペースを取ることがありません。
<詳しくはコチラ(製品ページ)>
→ S・TM-B349
<組み合わせで形状を変化させられるデスクの例>
→ S・TM-E615
5.業務内容は変化し続けるため、定期的に見直しを実施する
企業が変化し続けることと同様に、人(従業員の働き方)も変化し続けます。
「一度納得いくものを作ったら、それでずっといい」ということではなく、業務の変化に合わせて、レイアウトも見直していくことが大切です。
6.様々な部門の人が集まって検討することで、よりそれぞれの部門に合ったオフィスづくりができる

同じ企業内でも、部門が違えば働き方も違ってきます。
オフィス全体において部門ごと・個人ごとが、どのような働きをしているのかよく観察し、それに対応した内装・家具・什器を取り入れましょう。
上記を推進できる、社内ルールの設定も重要です。
部門ごとに人を集めて「委員会」にすると、スムーズに進みやすいでしょう。
いずれの従業員も、「自分の使う部分だけを意識する」という考えではなく、「オフィス全体を自分たちが使っている」という考え方にシフトすることが大切です。
働きやすいオフィスに変わることで企業に生まれるメリット

働きやすいオフィスに変わることで、従業員一人ひとりの生産性が上がり、結果として会社の業績が上がる効果が期待できます。
また多くの人は「働きやすいオフィスで働きたい」と思っているため、採用がしやすい(=新しい優秀な人材が生まれる)というメリットもあります。
また、外部の人(お客さまなど)が働きやすくなっているオフィスを見た際に、信頼感を得やすくもなります。
物理的だけではなく、心理的に働きやすくすることも意識する
- デスクのサイズの調整
- モニターの数の調整
- 集中したい人のためのパーティションの設置
など、これまでお伝えしてきたように、物理的に働きやすくすることは非常に大切ですが、それだけではなく心理的に働きやすくすることも、おろそかにしてはいけません。
- 会社の方向性にうまく自分が属しているか
- 自分がやりたいことを自覚できているか
上記のような、従業員エンゲージメント(※4)に関わる課題を、意識する必要があります。
(※4 従業員エンゲージメントとは、従業員が自社に対して持つ愛着や貢献意欲のことを指します。)
<参考コラム>
→ 従業員エンゲージメントとは?オフィス改装などの施策で築く双方向的な信頼関係
物理的な働きやすさ・心理的な働きやすさ、両方をまとめてデザインできる設計パートナーを選びましょう。
オリバーでは、これまでの知見を活かし、物理的な側面からだけでなく、従業員エンゲージメントを高めるための心理的な側面からも働きやすいオフィスづくりをご支援します。
まとめ
以上、オフィス移転・改修を手がける株式会社オリバーの視点から、
- 「働きやすいオフィス」の定義は?
- 働きやすいオフィスレイアウト事例4選
- 働きやすいオフィスレイアウトを検討する際の6つのポイント
- 働きやすいオフィスに変わることで企業に生まれるメリット
上記について、詳しく解説しました。
部門ごとの働き・個人ごとの働きをよく見て、「自社にとって働きやすいオフィスはどんなオフィスなのか」をじっくり検討しましょう。