社長室のレイアウトで検討する11のポイント!ゾーニングから社長室内の家具選びまで
社長室は一般社員が使用する部屋とは異なるため、レイアウトにおいてどういったことを検討するべきなのか、デザインはどのようにすればよいのか、といったことを悩む方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、
- 今回のオフィス移転・改装で、社長室をどのようにすればいいのか検討し、経営層に提案したい
- できた社長室を、経営層・社長に気に入ってもらいたい
と考える方のために、オフィス移転・改修を手がける株式会社オリバーが、以下の情報をお伝えします。
社長室をオフィス内にレイアウトする際の6つのポイント
- フロアに個室をいくつ設けるか?役員室は設けるのか?
- 眺望を社長室に取り入れるか?
- 社長室をエントランスに近い場所にレイアウトするか?それとも離れた場所にレイアウトするか?
- ビル設備のメンテナンスによるレイアウトの制限はあるのか?
- 社長室の中の様子が外から見えるようにするのか?
- 社長室を個室として設けるのか?一般社員と同じ部屋にデスクを配置するのか?
上記は、社長室をオフィス内にレイアウトする際に、意識するとよい6つのポイントです。
それぞれのポイントについて、下記で詳しく解説します。
1.フロアに個室をいくつ設けるか?役員室は設けるのか?
社長室のレイアウトよりも前に必要なのが、オフィス全体の設計です。
オフィスの設計を始めるにあたって、まずは間仕切りライン(間仕切り壁がどこになるのか?)を、決めることになります。
これはつまり、「個室をいくつ作るか?」を決めるということです。
オフィスの個室には、
- 社長室
- 役員室
- 応接室
- 社内用の会議室
などが挙げられます。
オフィスの床面積が小中規模なら、役員室は作らずに、社長室のみ作ることが多いです。
オフィスの床面積が大規模になると、役員室を作るケースも増えてきますが、今は「(社員の)個室は社長室1つでいい」という考え方が多いです。
オフィスの広さとの兼ね合いから、いくつ個室が作れそうか?
個室のうち、優先順位が高いのはどれか?
と話し合いが進み、多くの会社で優先順位が高いと判断するのが、社長室だということです。
役員室を作る場合は、「社長室に繋げるのか?それとも離すのか?」といった話し合いが行われます。
どちらのパターンもあります。
「役員会議室」を設ける場合は、社長室・役員室と近いほうが便利です。
これらの判断には、「社長室をどのような用途で使用するのか」という方針も必要となります。
例えば以下のような用途例が挙げられます。
- 社長のお客さまを社長室にご案内するのか
- 役員や役職者とのミーティングの場とするのか
- 社長自身の執務の場とするのか
2.眺望を社長室に取り入れるか?
大きな窓の近くなど、オフィスフロアにおいて、眺望(ちょうぼう)が良い場所というのは限られます。
“オフィスのなかでも特に良い場所”を、「社長室に取り入れるのか?それとも社員が使用するスペースとして取り入れるのか?」を、判断する必要があります。
「良い場所だからこそ、社長に使ってもらうべきだ」という意見が役員から出ることもあるでしょうし、「良い場所だからこそ、社員に使ってもらいたい」という意見が、社長自身から出ることもあるでしょう。
会社によって、その判断は変わります。
3.社長室をエントランスに近い場所にレイアウトするか?それとも遠い場所にレイアウトするか?
「社長室をエントランスに近い場所にレイアウトするか?それとも離れた場所にレイアウトするのか?」について、判断が必要です。
社長室がエントランスに近い場合のメリットには、
- 来客エリアが近い
- 非常時に避難しやすい
- トイレに行きやすい
といったことが挙げられます。
一方、社長室がエントランスから遠い場合のメリットには、
- 移動時に社員とのコミュニケーションがとれる
ということが挙げられます。
フロアの面積がとても広い場合、社長室がエントランスから遠い場所にレイアウトすると、動線が長すぎるかもしれません。
社長室をふくめたオフィス内の動線について、よくヒアリングをして設計に落とし込む必要があります。
4.ビル設備のメンテナンスによるレイアウトの制限はあるのか?
社長室は、フロアの壁側にレイアウトすることが多いです。
しかしフロアの壁側には、エアコンの吹き出しやシャッターなど、様々な設備があり、それら設備との取り合いをきちんと行うことが必要になります。
状況によってはレイアウトを制限される場合があります。
フロアのどこに社長室をレイアウトするのかを、検討するべきでしょう。
例えば、今のビルは外壁がガラスになっていることが多いです。
そうしたビルでは、「壁際にピッタリと家具類をくっつけて置くことができない」という条件を設けている場合があります。
これは、ビルの定期メンテナンスを実施する際の、妨げになるためです。
会社だけの問題ではなく、ビル側との設計前の事前調整をきちんと行うことが大切です。
5.社長室の中の様子が外から見えるようにするのか?
社長室を作る際は、「壁」を立てることになります。
壁について気を配るポイントとして、「壁をガラスにするのか? 普通の壁にするのか?」という点があります。
ガラスの壁にする場合、「どこまで隠すようにするのか?」という判断が必要になります。
- 社長が外の様子をどの程度見たいのか
- 社員からどの程度見られてもよいのか
上記が、主な論点になるでしょう。
ヒアリングの結果を、設計に落とし込んでいきます。
社長室の機能性として課題となるのは、「社員が今、社長室に入っていいのかどうかが判断できない」ことです。
- 社長が打ち合わせをしているなら、入室は控えるが……
- 打ち合わせしていない様子なら、声をかけたい……
- 今、社長室に入っても大丈夫だろうか?
と、判断に悩むことになります。
一番多い対応策は、壁をガラスにしておいて、座ったら顔・手元が隠れるような目隠しをするという方法です。
「タスクの内容は見えずに、社長が居る・居ないは外からすぐに分かる」というメリットがあります。
もちろん、目隠し無しで全てクリアにする会社もありますし、逆に全てクローズにする会社もあります。
6.社長室を個室として設けるのか?一般社員と同じ部屋にデスクを配置するのか?
「社長室を個室として設けるのか?一般社員と同じ部屋にデスクを配置するのか?」、悩んでいる会社もあると思います。
当社オリバーの今までお客さまのオフィスの場合、社長室を設ける企業さまが割合としては多いです。
もちろん、
- 社員の仕事ぶりを常に見れるようにしたい
- 見られてはいけないものはないので、一緒に働きたい
といった社長自身の希望から、あえて社長室を作らない判断をする会社はあります。
ただ、「社員と働きたい!」という希望については、社長室を作っておいても、“社員と一緒に働きたい時は同室で執務する”方法をとれば、問題なく叶えられます。
その時々でチョイスできるように、社長室が“ある”設計のほうがオススメです。
社長室内のレイアウトを検討する際の5つのポイント
- 社長室の家具や設備
- 経営企画部とのコミュニケーション
- 社長室のインテリアデザイン
- 照度に対する配慮
- セキュリティの対策
上記は、社長室内のレイアウトの5つのポイントです。
社長室の室内をレイアウトするにあたっては、まず「機能性の整理」を行いましょう。
社長室は重要なスペースの1つで、特に入念に設計をするため、大きな失敗は基本的には起こにくいですが、「冷蔵庫を入れたい」などの細かなリクエストの聞き洩らしがないように注意しましょう。
1.社長室の家具や設備
- 社長デスクのサイズ
- ワードローブの有無
- 書棚の有無
これらが、社長室の家具や設備に関する、確認事項の例です。
また、
- 社長室で打ち合わせをするか?
- 打合せをする場合、何名まで座れるようにするか?
ということも、確認が必要です。
大きなデスク・会議テーブルは、レイアウト変更に手間がかかるため、一度設置したら動かさない場合が多いです。
しかし、可動式の家具を用いるとレイアウト変更が容易になるため、使用するシーンに合わせて柔軟に変更することができます。
当社がオススメするのは、エグゼクティブファニチャーシリーズ「- O(リング)-」という、キャスター付きで可動性・可変性に優れたテーブルです。
2.経営企画部とのコミュニケーション
経営企画の機能を、社長室の近くに配置する場合があります。
その場合、社長の近くに、秘書室、総務、経営企画等の部門を配置することがほとんどです。
経営企画のメンバーと、意思疎通がしやすい設計にすることが望まれます。
顔を上げたらメンバーと目が合う、そんなレイアウトがオススメです。
3.社長室のインテリアデザイン
デザイン面については、やはり「信頼を得られる設えにする」「1ランク上の家具・設備を選ぶ」という点が、大切です。
4.照度に対する配慮
社長室に限らず、黒いパーティションを使うと、暗さを感じてしまいます。
色温度と照度をしっかり計算して、快適な部屋になるように設計が必要です。
例えば、日の昇る方向が意外と重要で、日光が眩しくない位置にデスクを配置するなどの、工夫ができます。
5.セキュリティの対策
当たり前のことではありますが、セキュリティはしっかり行いましょう。
電子錠、入退室管理システムの導入などが、候補に挙げられます。
オリバー自社オフィスの社長室レイアウト
日本全国でオフィス移転・改修を手がけるオリバーは、自社のレイアウトにも力を注いでいます。
今回の記事では、「日本橋オフィス」と「西葛西オフィス」の社長室をご紹介します。
【日本橋オフィス】木製の上質な重厚感と「可変性」を実現
オリバー日本橋オフィスの社長室は、テーブルや棚が木製で、威圧感を与えない上質な重厚感を演出しています。
またテーブルは、社長室内で面談・会議をする時や、他の拠点と繋いだWeb会議をする時に便利なように、可変式になっています。
【西葛西オフィス】ガラス張りでオープン、防音はしっかり
オリバー西葛西オフィスの社長室は、ガラス張りです。
シャッターを開ければ外から社長室の様子が分かり、なおかつ社長室から外の様子が分かるオープンな環境です。
防音はしっかりしており、中で話している声が外に漏れることはないので、シャッターを閉めることで重要な会議なども行うことができます。
社長室のレイアウトを検討する際のフロー
既存のオフィスに社長室がある場合は、オフィス移転先・改装後も、社長室を作る場合がほとんどです。
そのため課題がある場合も、課題がすでに明確になっている場合が多く、それらを整理し、新しい社長室の計画に落とし込んでいくこととなります。
一方、これまでオフィスに社長室がなかった場合は、新たにどういった社長室にしていくのかを検討することとなります。
先述した、
- 社長室をオフィス内にレイアウトする際の6つのポイント
- 社長室内のレイアウトを検討する際の5つのポイント
を参考に計画を進めていきます。
設計者とのミーティングについて
社長室の設計を始めるにあたり、まずは要件を決める必要があります。
そのため、設計者はお客さまに対してヒアリングを行います。
ヒアリングのためのミーティングに社長が出席できる場合は、設計者にヒアリングを直接行ってもらいましょう。
ヒアリングによって出た方向に沿って、設計者は設計を進めます。
一方、社長がミーティングに出席しない場合は、参加メンバーを通してヒアリングをすることになります。
もしくは、「設計者からの提案をたたき台とし、それに対する意見を社長からもらう。」という進め方をとります。
まとめ
以上、オフィス移転・改修を手がける株式会社オリバーの視点から、
- 社長室をオフィス内にレイアウトする際の6つのポイント
- 社長室内のレイアウトを検討する際の5つのポイント
- オリバー自社オフィスの社長室レイアウト
- 社長室のレイアウトを検討する際のフロー
についてご紹介しました。
新しい社長室を作る際の参考になれば幸いです。
社長室は丁寧に作っていくぶん、失敗は少ないはずですが、経営層・社長の細かな要望を聞き洩らさないようには、気を付けましょう。
オリバーでは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オフィス空間づくりにお困りの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
オフィスブランドPLACE2.5では、お客さまのビジョンを実現する、唯一無二のオフィス設計を行っています。
また当社では自社オフィスのオフィス見学を実施しています。
オリバーのオフィスは全て見学していただくことができます。
詳しくは以下のページをご覧ください。