チェックリスト付き!総務のオフィス移転タスクを進めるコツは?手間のかかるタスクや漏れやすいタスクも解説

オフィスの移転にあたっては、膨大な量のタスクが発生します。
これらのタスクの多くに対応するのが、「総務」の方々です。
総務の方々は、「オフィス移転に関する旗振り役や取りまとめ役を担う」、もしくは「経営層がオフィス移転を先導する場合のサポート役を担う」こととなります。
いずれの場合も総務の役割は重大で、慣れないタスクを進めることに負担や不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、
- 総務が担当するべきタスクを把握したい
- 総務だけで完結しないタスクは、どこの部署と進めればいいのか知りたい
- 時間がかかるタスクや難易度の高いタスクを知りたい
- 抜け漏れしやすいタスクを知りたい
と考える総務の方々に向けて、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーが役立つ情報をまとめました。
- 総務担当者はオフィス移転プロジェクトの旗振り役
- オフィス移転の総務タスクをうまく進めるにはプロジェクトチームの発足がおすすめ
- オフィス移転の総務タスクの中で手間のかかるタスクは?
- オフィス移転の総務タスクで漏れやすいものは?
- オフィス移転コンサルはスムーズなプロジェクト進行に有効
- オフィス移転に関するタスクチェックリスト
総務担当者はオフィス移転プロジェクトの旗振り役

先にも述べたように、総務担当者はオフィス移転プロジェクトの旗振り役になることが多く、社員をうまく引っ張っていかなくてはいけません。
オフィス移転プロジェクトの旗振り役としてあるとよいスキルは、「ファシリテーションスキル」です。
ファシリテーションスキルとは、会議や議論を円滑に進め、効率的に成果を出すためのスキルのことで、オフィス移転に関わるシチュエーションでも役に立ちます。
たとえばオフィス移転に関するミーティングにおいて、まずは自分から少し意見を出してみて、「〇〇部の〇〇さんはどうですか?」と、きちんと全員の意見を聞きます。
詳しくは後述しますが、オフィス移転プロジェクトには、オフィス移転に関する知識・経験が充実しているプロ(オフィス移転コンサル会社など)に、補佐的な役割で入ってもらうことがおすすめです。
プロジェクトに第三者が入ることによって、社内の意見を客観的な視点でファシリテーションできるようになります。
オフィス移転の総務タスクをうまく進めるにはプロジェクトチームの発足がおすすめ

オフィス移転の総務タスクをうまく進めるためには、まず「プロジェクトチームを発足させること」がおすすめです。
オフィス移転に関わるタスクは、総務だけで完結するとは限りません。
たとえば、
- 業務動線やレイアウトの最適化に関するタスク→事業部と連携
- ネットワーク関連のタスク→情報システム部と連携
- 支払い関連のタスク→経理との連携
- 新しいオフィスはどうあるべきか考えるタスク→人事部と連携
上記のように、他部署と連携して行うタスクが多いことから、オフィス移転プロジェクトをうまく進めるためには、各部署から1名程度、プロジェクトメンバーを任命することが、大変有効です。
プロジェクトチームを発足することにより、部署横断的な調整力・意思決定の質の向上が見込まれます。
プロジェクトチームの中で総務は「外部業者の窓口」を務めつつ、様々な「意思決定の支援」をすることになります。
オフィス移転に関して様々な意見が出てくると思われますが、それらをどこまで拾い上げるのか・どこまで説得するのかという部分に、総務の手腕が問われます。
プロジェクトチームのメンバーの選定のポイント
プロジェクトチームのメンバーを選ぶポイントは、部署内のポジティブな意見も、ネガティブな意見も公平に集めることができる人を選ぶことです。
また、若い人・新人を任命すると、本人が遠慮して意見を言えない場合がありますし、逆に極端に役職が高い人を任命すると、今度は周囲が意見を言えなくなる場合があります。
さらに、発言権が強すぎるメンバーがいると、他のメンバーが「この人は優遇されている」と感じやすくなり、対立構造が生まれてしまう(=タスクが円滑に進みづらくなる)可能性もあるため、注意が必要です。
発言力のバランスを取ることをイメージして、プロジェクトメンバーを選びましょう。
プロジェクトメンバーにいると頼もしいのは、若手のリーダーのような人です。
自分たちが働くオフィスの5~10年後のイメージができ、それを言語化できる人が、特にプロジェクトメンバーに適しています。
プロジェクトチームは、総務を含めて5~10人で構成することが望ましいです。
できれば「外部」から、オフィス移転に関する知見がある人も招くとよいでしょう。
オフィス移転の総務タスクの中で手間のかかるタスクは?

オフィス移転の総務タスクの中で、特に手間がかかるタスクは、
- 全体をまとめること
- 工事に関わるタスク全般
- 各種スケジュール管理
です。
まず、「プロジェクト全体をまとめる」ということ自体が、総務の方々が苦労するポイントです。
社内の希望をまとめたり、業者から出された提案に対する社内の意見をまとめたりといったタスクは、無事プロジェクトを完了するためには非常に大切ですが、多くの時間と手間が必要です。
また、工事に関わるタスクについても、工事業者や不動産業者より、普段耳慣れない専門用語で説明されることが多く、正しく理解することが難しいと考えられます。
一例ですが「B工事」や「C工事」、「避難安全検証法」などがそうです。
業者が説明していることを正しく把握できず、あとになってから想定と異なっていることに気付くことは、意外とよくあることです。
さらにスケジュール管理についてですが、日常業務とは大きく異なる内容であるオフィス移転に関するスケジュールを、総務の中だけでうまく作ることは非常に難しいです。
専門知識がある外部業者に相談をして、スケジュール管理についての最適なアドバイスを貰うことが理想的です。
オフィス移転の総務タスクで漏れやすいものは?

オフィス移転に関する総務のタスクは多岐に渡るため、抜け漏れは発生しやすいです。
- コーポレートサイトの案内を変更する
- 会社案内を変更する
- リース品・減価償却中の備品の把握
- 行政関係の手続き
上記が、よく抜け漏れが発生するタスクの一例です。
各種案内は、プロジェクトチームとのファシリテーションや、工事業者とのやり取りをしている間に、対応が漏れてしまうことがあります。
また、「リース品なのに廃棄してしまった」というのも、よくある話です。
「減価償却中だったのに……」ということもあるため、廃棄を検討する前ににきちんと確認しなくてはいけません。
行政関係の手続きも、抜け漏れしやすいタスクです。
行政関係の手続きには、「移転前に済ませるもの」と「移転後に済ませるもの」があります。期限も様々です。
期限が厳しく定められた手続きに関しては、特に注意が必要です。
たとえば防火・防災の管理者を消防署に提出するのは、「移転後すぐ」になります。
プロジェクト初期に必要な届出をリストアップしておいて、総務の中で分担して取り組むことがおすすめです。
<登記・届出手続きの一例>
- 税務署変更 必要性確認 税務署変更届提出
- 労働基準監督署 現状確認 変更届提出
- ハローワーク 移転届提出
- 社会保険事務所 移転届
- 住民税関連 変更届
- 地方自治体税務署(事業開始等申告書)
- 健康診断先の変更検討 近隣病院の契約
- 各種加入協会 状況確認 変更届
- 都税事務所 事業開始等申告書
- 会社登記変更の有無確認
- 会社登記変更 法務局確認 定款変更及び移転登記
- 会社登記変更 法務局確認 代表取締役印の登記
オフィス移転コンサルはスムーズなプロジェクト進行に有効

オフィス移転プロジェクトをスムーズに進行するために、オフィス移転コンサルに依頼することは大変有効です。
特に、社内の意見をまとめる時の相談相手ができることは、非常に頼もしいことです。
コンサルは様々なケースを経験しており、オフィス移転が初めての総務担当者には想像が難しい、「こういう場合はこうする」というノウハウを豊富に持っています。
そしてプロならではのアドバイスは、社内説得の材料としても役立ちます。
コンサルに依頼するとフィーが発生してしまいますが、そのぶん予算や工期を守りながら、最大限の価値を生む移転を叶えられます。
当社オリバーは、オフィス移転の経験が豊富にあります。
オリバーの強みは、
- 調査(サーベイ)
- 与件整理
- コンセプトメイク
- 空間提案
- 施工管理
- アフターフォロー
上記の流れを、一気通貫で行えることです。
お客さまからは「何がやりたいのかを現場目線で寄り添いながら、メニューを組み立ててくれる」「クライアントの声に真摯に向き合ってくれる」と、評価をいただいています。
<関連コラム>
→ オフィス移転コンサルに依頼できる範囲と自社の作業範囲は?依頼のタイミングや選定方法も解説
オフィス移転に関するタスクチェックリスト
以下は、オフィス移転に関するタスクのチェックリストです。
オフィス移転プロジェクトを進めるにあたって、把握しておくことをおすすめします。
- プロジェクト計画・立案に関するタスク
- 移転先オフィス選定に関するタスク
- プランニング・レイアウトに関するタスク
- 工事計画の策定に関するタスク
- 工事見積・スケジュールの確定に関するタスク
- 着工に関するタスク
- 竣工に関するタスク
- 引越しに関するタスク
- 旧オフィスの現状復旧工事に関するタスク
- アフターフォローに関するタスク
プロジェクト計画・立案に関するタスク
| タスク | タスク詳細 |
|---|---|
| 体制表の作成 | 社内体制表 全体体制表 |
| 移転スケジュールの立案 | タスク別スケジュール 概略スケジュール 全体詳細スケジュール 概略工事スケジュール 詳細工事スケジュール |
| 予算の振り分け | 工事概算見積書 工種別予算(B工事・C工事・引越し) 工事詳細見積書 |
移転先オフィス選定に関するタスク
| タスク | タスク詳細 |
|---|---|
| オフィス物件市況の調査 | |
| 不動産情報の収集 | |
| 不動産会社へのヒアリング | |
| 現状調査 | 交通アクセス利便性 該当ビル周辺の治安・状況の情報収集 周辺環境調査 該当フロアリサーチ 災害対策の充実度 |
| 設備チェック | 空調方式の確認 通信条件の確認 電気容量の確認 床荷重制限(大型・重量物の設置可否) 共用部チェック(トイレ・エレベーターなど) コストバランスチェック(賃貸費用・引越し費用など) 候補ビルの比較検討 コスト削減の検討 契約内容の確認・交渉 移転日と旧オフィス退去日の調整 |
プランニング・レイアウトに関するタスク
| タスク |
|---|
| 新オフィスに関する要望のヒアリング |
| 移転目的の把握 |
| 現状の執務室・会議室の利用状況や収納などの調査 |
| OA機器やサーバーなどの利用状況調査 |
| 増設設備や配線の確認 |
| コンセプトの提案・決定 |
| レイアウト図面作成 |
| ゾーニングプラン作成 |
| 既存什器の転用計画・新規什器の提案 |
| 防災対策・セキュリティ対策の提案 |
| インテリア・内装提案 |
| OA機器移設方法の確認 |
| コスト削減の検討 |
工事計画の策定に関するタスク
| タスク |
|---|
| 作業条件の確認(音出し・臭気作業など) |
| 工事規則確認(夜間・土日など) |
| 全体概算予算作成 |
| B工事概算予算作成 |
| C工事概算予算作成 |
| コストの妥当性精査 |
| 予算に応じてVE案提出・再見積り |
| 工事請負契約書の締結 |
| 引越し業者の選定 |
工事見積・スケジュールの確定に関するタスク
| タスク |
|---|
| 作業時間帯・工事区分などをビル管理者に確認 |
| ビル指定のB工事業者との作業間調整・工事区分の明確化 |
| 実施工程表作成 |
| 工事中消防計画書・開始届の作成・提出 |
| 労働基準監督署への届出書類の作成・提出 |
| ビルへの届出書類の作成・提出 |
| 近隣挨拶文作成・近隣挨拶 |
| 電気工事・OA機器移設工事・引越しなどの段取り |
| 工事保険の加入 |
着工に関するタスク
| タスク |
|---|
| キックオフミーティングの実施 |
| 業者間調整・追加工事等の予算調達 |
| 定例会議の実施(週1ペース) |
| 中間検査の実施 |
| 中間レポート提出 |
| 安全管理書類作成 |
竣工に関するタスク
| タスク |
|---|
| 消防検査の立会い |
| 設計検査の実施 |
| 施主検査の実施 |
| 竣工写真の撮影・アルバム作成 |
引越しに関するタスク
| タスク |
|---|
| 引越し説明会の開催 |
| 梱包・搬出マニュアルの作成 |
| 梱包資材の準備 |
| 移転物品・残留物品・廃棄物のリスト作成 |
| 重要品(機密書類・サーバー・美術品)の取扱い方法の決定 |
| 運搬方法の確認 |
| 廃棄物の処理方法確認(リサイクル・買取・廃棄) |
| 不要什器の処分 |
| エレベーターの寸法・重量制限の確認 |
| 養生方法の確認 |
| 搬出・搬入方法の確認と手配 |
| ビル管理業者への確認・届出 |
旧オフィスの現状復旧工事に関するタスク
| タスク |
|---|
| 原状回復すべき範囲の決定 |
| 作業条件確認(音出し・臭気作業) |
| 工事規則確認(夜間・土日など) |
| 業者間調整・工事内容の把握 |
| 工事見積作成 |
| 工事コストの妥当性精査・減額交渉 |
| 近隣挨拶文作成・近隣挨拶 |
| 搬出経路の確認 |
| 残置物の確認 |
| 定例会議の実施 |
| 引渡し検査 |
アフターフォローに関するタスク
| タスク |
|---|
| 3ヶ月検査の実施 |
| 1年検査の実施 |
まとめ
以上、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーの視点から、
- 総務担当者はオフィス移転プロジェクトの旗振り役
- オフィス移転の総務タスクをうまく進めるにはプロジェクトチームの発足がおすすめ
- オフィス移転の総務タスクの中で手間のかかるタスクは?
- オフィス移転の総務タスクで漏れやすいものは?
- オフィス移転コンサルはスムーズなプロジェクト進行に有効
- オフィス移転に関するタスクチェックリスト
について、解説しました。
オリバーは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オリバーのオフィス移転コンサルでは、ヒアリング内容や働き方に基づき、お客さまに合ったコンセプトを提案します(オフィスコンセプト設計)。
そして新しい働き方や用途に応じて、最適なレイアウトを提案・作成します。
デザイン設計(内容設計・CGパース・VR)では、内装・家具・照明・グリーンなどオリジナリティのあるデザインを行います。
またセキュリティ計画や、Web会議などICT化に必要なサポートを行います。
パートナー企業と連携しながら、物件の検討・契約が円滑に進むようにサポートすることも、オリバーの仕事です。
オフィスの家具については、『Place2.5』の家具だけではなく、お客さまに合わせた特注家具を設計・製造します。
いよいよ移転を実施する段階では、最適な工程で納品できるよう、運搬・搬入・施工管理を行います。
最後にアフターフォローとしてプロジェクト成果の確認や、従業員の満足度調査を実施します。