おしゃれなオフィスの床材選びのポイントは?エリア別のおすすめや事例もご紹介

オフィスの床材は、空間に占める割合が高く、オフィスのイメージを大きく左右します。
オフィスの移転・改装にあたって、
- おしゃれな床にしたいが、床材の知識がないのでどう選べばいいかわからない
- オフィスのエリアごとに、床材を変えてみたい
- デザイン性はもちろん大切だが、すぐに汚れたり傷んだりするのは困る
といった、考えを持たれている担当者さまは多いのではないのでしょうか。
床材は「デザイン」と「機能性」、どちらも重視して選ぶことが大切です。
そこで今回は、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーが、
- 床材はオフィス空間の「デザイン」と「機能性」を左右する
- 【エリア別】オフィスにおすすめの床材
- オフィスのエリアごとに床材を変える際の注意点
- オフィス床材の汚れ・劣化・配線について
- 【2025年】オフィス床材の最新トレンド
- 【床に注目】おしゃれなオフィス事例
について、詳しく解説します。
床材はオフィス空間の「デザイン」と「機能性」を左右する

テナントビルには、あらかじめ張られている床材があり、それを剥がしてまで新しい床材を張る必要があるのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
オフィス空間における、床材の選定を解説します。
あらかじめ張られているビル標準の床について
テナントビルの場合、床材はあらかじめビル標準(テナントビルは、あらかじめ床が張られている)の床が既にあります。
ビル標準の床の多くが、タイルカーペット(色:グレー)です。
タイルカーペットには、音の反響を抑えてくれるメリットがあります。
ビル標準の「床の構成」の多くは、下からコンクリートスラブ(構造:躯体)、次にOAフロア(スラブと床面の間に空洞をつくり、そこに電気・電話の配線を這わせるもので、レイアウト変更が容易にできる)、そして一番上にタイルカーペットが敷かれているという構成です。
タイルカーペットは、前の入居者が退去する際に、新品に貼り替えされることが多いです。
床の「デザイン」について
床面は面積が大きいため、床材が空間全体のイメージに大きく影響を与え、印象を左右します。
それぞれのオフィス空間で狙うコンセプトにあった床材を、様々な選択肢の中から選ぶことが大切です。
ただし面積が大きいぶん、ビル標準から変更する場合はコストがかかるため、全体的ではなく部分的に変えることもあります。
床の「機能性」について
オリバーの場合、床材は「レイアウト変更のしやすさ」や、「メンテナンスのしやすさ」を重視してご提案することが多いです。
たとえばタイルカーペット(50cm角が多い)は、OAフロアで配線を出したり、レイアウト変更がしやすい床材です。
いっぽう長尺シートは、1枚が長くつながった床材のため、一般的にはレイアウト変更に向いていません。しかし、長尺シートや塩ビタイルは、メンテナンス性が高く、飲み物・食べ物をこぼした部分を掃除しやすいという特性があるため、休憩スペースには向いています。
上記のようにエリアごとに床材を使い分けることがポイントで、「実際にどのように使い分けていくのか?」については、この後に詳しく紹介します。
「居心地の良い空間」に必要な床材とは?
床材の選び方1つで、オフィス全体を居心地の良い空間を叶えることは難しいです。
空間全体の1つの要素として、うまく調和し機能する床材を場所に応じて選択する必要があります。
オリバーが床材の提案をするうえで大切にしていることは、床の「デザイン」と「機能性」をしっかりおさえることです。
【エリア別】オフィスにおすすめの床材
- エントランスの床材選び
- 商談スペースの床材選び
- 執務スペースの床材選び
- ミーティングスペースの床材選び
- 休憩・リラックススペースの床材選び
- 廊下の床材選び
- 倉庫の床材選び
以下では「エリア別」に、オフィスにおすすめの床材を紹介します。
1.エントランスの床材選び

エントランスは「オフィスの顔」で、お客さま(なかには初めて来訪される方もいる)をどのように迎えるのかを、床材選び+空間デザインで表現する必要があります。
一番最初にお客さまが目にする場所であるため、グレードが高い床材を選ぶことが多いです。
タイルカーペットにするとしても、そのなかでグレードの高いものを選びます。
タイルカーペット以外であれば、木目の床材(土足に対応した無垢材など)にしたり、磁器製タイルにしたりといった、選択肢があります。
なお、テナントビルに入居する場合の動線ですが、「共用部である廊下・EVホールから専有部に入る」流れになります。
よって、共用部の床材にどんなものが使われているのかを考慮して、専有部の床材を選ぶと、違和感がありません。
自社ビルの場合は、屋外の舗装面の仕上げを考慮して、エントランスの床材選びを行います。
単に見た目を合わせるだけでなく、靴に付いた雨・土・泥などがフロアに付着することを考慮し、メンテナンス性(掃除のしやすさ)を重視することがポイントです。
2.商談スペースの床材選び

商談スペースの床材は、タイルカーペットを選ぶことが多いです。
タイルカーペットには「吸音作用」があり、話し声が反響したり外に漏れたりするのを、抑えてくれるからです。
3.執務スペースの床材選び

一般的に、オフィス内で1番広い面積を占めているのが「執務スペース」です。
そのため、ビル標準から床材を変更する場合は、コストとのバランスを考えることが、重要事項となります。
執務スペースの床は変えないで、ビル標準のままとすることも多いです。
全体をビル標準から変更するのではなく、床材を部分的に張り替えることで、通路であることを示したり、エリアを分けたり、ここに物を置いてはいけない、といったことを視覚的に伝えることも方法です。
4.ミーティングスペースの床材選び

ここでいう「ミーティングスペース」とは、オープンスペース(執務スペース含む)にある、個室ではない、ミーティング用のスペースをイメージしています。
人員が増えた際に、執務スペースに変えることも多いため、ビル標準のままにする場合もあります。
ビル標準から変える場合は、先述した商談スペースの場合と同じく、「音に対する配慮」が重要です。
執務スペース以外のオープンスペースに、ミーティングスペースを設ける場合は、多目的な休憩スペースとしても使えるようにするために、長尺の床材・塩ビの床材を選ぶことが多いです。
後述しますが、従業員が気持ちの切り替えをしやすく、食べこぼしなどの掃除がしやすいためです。
もし、人数変更によるレイアウト変更がある可能性が高いなら、キャスター付きの家具を導入することになるでしょう。
上記の場合、キャスターが転がりやすい床材を選ぶのがよいです。
5.休憩・リラックススペースの床材選び

エントランスの床材選びの次に、予算をかけることが多いのが、「休憩・リラックススペースの床材選び」です。
最近採用されることが多いのは、「木目の塩ビタイル」です。
執務スペース(例:タイルカーペット)と比較して、空間の印象を大きく変えることができるため、従業員が頭の切り替え(仕事モード⇒リラックスモード)をしやすくなります。
また塩ビタイルは、食べこぼしなどの掃除がしやすい点や、キャスター家具の移動をしやすい点など、機能面で複数のメリットがあります。
6.廊下の床材選び

「共用部の廊下」と「専有部内の動線としての廊下」の考え方があります。
テナントビルの場合、廊下は共用部にあたる場合が多いので、基本的に床材を変えることはできません。
専有部・執務室内の動線部分を廊下として考え、ビル標準の床材から材質・色を変えることができます。
いっぽう自社ビルの場合は、廊下も自社のものなので、床材を自由に変えることができます。
床材を変える場合はまず、「廊下は1番汚れやすい場所である」ことを意識するとよいでしょう。
人や台車がたくさん通るため、
- 耐久性に優れる床材
- 帯電性を抑えた床材 ※静電気を抑えるため
- 汚れが落ちやすい床材
- ワックスがけができる床材
上記の条件を満たす床材を選ぶことがベストで、長尺シートを選んだり、塗装仕上げを行ったりすることが多いです。
7.倉庫の床材選び
倉庫の床材選びですが、先述の廊下の床材選びと、ほとんど同じです。
人や台車が通るため、耐久性に優れていて、メンテナンスもしやすい床材を選ぶことがおすすめです。
オフィスのエリアごとに床材を変える際の注意点

オフィスのエリアごとに床材を変える際の注意点は、空間デザインとして「何を表現するのか」をしっかり決めて、空間全体のバランスをふまえて検討することです。
機能的なことでいえば、たとえば「塩ビタイルや長尺シート」と「タイルカーペット」を使い分ける場合、厚みが異なるため数ミリの段差ができてしまうことがあります。
上記の場合、つまずかないようにするための工夫が必要です。
ステンレスなどでできた見切り材を付けたり、薄いほうの床材の裏に、嵩(かさ)増しのための材料を張るなどして、対応します。
無垢の床材を選んだ場合は、より段差ができやすく、「段差をどう解消するのか?」が課題となります。
オフィス床材の汚れ・劣化・配線について

人や台車が多く通る場所は、汚れやすく、劣化が進みやすいです。
また、同じ色・柄の床材であっても、1年程度で劣化は進んでいるので、適度にバランスを見ながら、対応していく必要があります。
タイルカーペットの場合は、部分的な交換が簡単で、「通り道だけ交換する」「特に汚れている部分だけ交換する」といった対応が可能です。
配線については、OAフロア(床面と躯体の間に空間を設けて配線を収納する二重構造の床)を導入しておけば、自分たちでレイアウト変更を行うことができます。
OAフロアではない場合、業者に依頼して電気工事を行う必要があります。
【2025年】オフィス床材の最新トレンド

2025年をふくむ、ここ数年のオフィス床材のトレンドは、「カフェのような空間」あるいは「ホテルのような空間」を叶えるために、長尺の床材や無垢材を使うことです。
また、以前はエントランスだけ変えるという企業さまが多かったですが、最近は執務室全体を(ビル標準から)変える企業さまも徐々に増えてきています。
リモートワーク中心の企業さまの場合は、出社の目的が「執務」だけではなく、「従業員同士のコミュニケーション」や「イベント」となっていることがあります。
上記の場合、一般的な執務スペースとは異なるような大きく印象を変えた空間づくりが可能です。
【床に注目】おしゃれなオフィス事例
以下では、当社オリバーが手がけた、床に特徴があるおしゃれなオフィスの事例をご紹介します。
1.株式会社東急コミュニティー 様 東急不動産恵比寿ビル

「恵比寿」という立地にちなんだ、明るく気持ちよく働けるインテリアカラーと、メリハリのある働き方ができるようなゾーニングを計画しました。
さわやかな気分で自分らしく過ごせる執務空間や、ミーティング、休憩、集中して業務できるカウンター席など、さまざまな座席を設け、気分を切り替えて自由に過ごせる空間です。
床については、黄色・青・白など、メリハリを感じるカラーを取り入れています。

<事例を詳しく見る>
→ さまざまな働き方に対応し、自分らしく過ごせるセットアップオフィス
2.キャロウェイゴルフ株式会社 様

世界最大級のゴルフクラブメーカーの日本法人である、キャロウェイゴルフ株式会社 様。
テレワークの対応やブランドチームの垣根を超えた環境作りなどを目指したサテライトオフィスです。
デザインのコンセプトは「NEW WAVE」。キャロウェイゴルフ・カンパニー本社のあるカリフォルニア州の海をイメージしています。
ロッカー表面の下部に貼られた芝生のようなグラフィックシートや、緑色の床材など、「ゴルフ」を連想するようなデザインを所々に取り入れ、遊び心のあるオフィスとなっています。

<事例を詳しく見る>
→ チームの垣根を超えるオープンなオフィス
まとめ
以上、オフィス移転・改修を手がける株式会社オリバーの視点から、
- 床材はオフィス空間の「デザイン」と「機能性」を左右する
- 【エリア別】オフィスにおすすめの床材
- オフィスのエリアごとに床材を変える際の注意点
- オフィス床材の汚れ・劣化・配線について
- 【2025年】オフィス床材の最新トレンド
- 【床に注目】おしゃれなオフィス事例
について、解説しました。
床材は単体で選ぶのではなく、“全体の一部”として選ぶ必要があり、見た目だけではなく機能性も大切です。
オリバーでは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オフィス空間づくりにお困りの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。


オフィスブランドPlace2.5では、お客さまのビジョンを実現する、唯一無二のオフィス設計を行っています。
また当社では自社オフィスのオフィス見学を実施しています。
今回ご紹介したオリバーのオフィスは全て見学していただくことができます。
詳しくは以下のページをご覧ください。

