自社オフィスのデスクの選び方!ポイントや検討の順番・おすすめのデスクを紹介
オフィスにとって欠かせない「デスク」。
オフィスの移転や改装などに伴い、デスクも入れ替えを検討しているが「どんなデスクを選べばいいのかわからない」と悩む方もいらっしゃると思います。
後から使い勝手が悪いところが見つかったら困りますし、せっかく変えるなら従業員にも「使い勝手がよくなった!」と思ってほしいのではないでしょうか。
デスクは単体で欲しいものを選ぶのではなく、これから推進する働き方や、今のオフィスの課題を複合的に考えて、オフィス全体のレイアウトに合うものを選ぶ必要があります。
今回の記事では、オフィス移転・改装を手がける株式会社オリバーが、
- 近年のオフィスデスクの使われ方の変化
- オフィスデスクの選び方の5つのポイント
- 様々な形のオフィスデスク
- オフィスデスクを導入する際に検討する順番
- 将来のオフィスレイアウト変更を見越したデスク選択が重要
について、詳しく解説します。
近年のオフィスデスクの使われ方の変化
近年、働き方が変わってきていることが、「デスクで何をするのか?」に影響しています。
例えば、昔はデスクで書き物をすることが多かったですが、PCが普及しペーパーレスが進んだことで、今はデスクで書き物をすることが少ない業種が増えました。
ペーパーレス化とノートPCの普及などが影響し、デスクまわりはコンパクト化している傾向があります。
また、PCのデバイスが複雑になっていることも挙げられます。
ノートPCを使うのか、設置するために広いスペースが必要なタワー型PCを使うのか、業種・個人によって異なります。
モニターの台数も異なりますし、タブレットを同時に使うのかどうかも異なります。
また、それぞれのデバイスへの電源の供給をどうするのかということも併せて検討する必要があります。
加えて、フリーアドレス(オフィス内で固定席を持たず、自分の好きな席で働くワークスタイル)や、ABW(仕事の内容や気分に合わせて、働く場所や時間を選択できる働き方)により、従業員それぞれに適したデバイスを席で使用するため、より柔軟性の高い環境が必要とされています。
オフィスデスクに限らず、“主流なアイテム”というものが、明確にある時代ではなくなってきました。
スチールデスクがズラリと並ぶ、どこも似たり寄ったりな環境から、「特徴のあるオフィスづくりをしよう」という流れになり、それがまた一般化している状況です。
こうした“時代の進化”に伴う変化はありつつも、デスクに求められる機能が業種・職種によって変わるという点は、昔も今も変わりません。
オフィスデスクの選び方の5つのポイント
- 天板のサイズ
- デスクまわりの収納
- 必要な設備
- パーティションの有無
- 天板の色や素材
以下では、オフィスのデスクの選び方に関する、5つのポイントを紹介します。
1.天板のサイズ
執務デスクの場合、デスクの幅は1,100~1,400mmが標準です。
必須のサイズというよりは、「快適な執務のために必要」というイメージです。
また、デスクの奥行きは700mmが標準です。
ノートPCかつ、外部モニターが不要であるなら、600mmでも問題ないでしょう。
詳しくは後述しますが、オフィスのデスクを検討する前に、オフィス全体のレイアウトから検討していきます。
そのため、最初に「デスクをこのサイズにしたい」ということを検討することは、一般的ではありません。
「レイアウトから、自然とデスクのサイズが決まってくる」ということです。
昔からある島式のレイアウトの場合、キャビネット付のスチールデスク(幅1,100mm・奥行700mm)を並べ、上席の従業員のデスクは少し広いものを選ぶ(幅1,400mm・奥行700mm)ことが多くありました。
しかし近年は、「デスクの広さで差をつける」という考え方が減り、よほど上席の従業員でない限りは、皆が同じ寸法のデスクを使うようになりました。
先述したように、ノートPCのみで仕事をする従業員が増えて、ペーパーレスが進んでいることにより、「必ずしも“デスク”でなくともよい」という考え方も増えてきました。
物を少しだけ置くことができればよく、例えばカフェにある小型テーブルのようなものでよいというケースが、よく見られます。
2.デスクまわりの収納
もちろん業種差・個人差がありますが、昔と比べ、デスクまわりの荷物は減っています。
加えて、フリーアドレスやABWといった働き方の変化があるため、これを重視するなら、デスクまわりに個人用の収納は設けないほうがよいでしょう。
グループアドレスを採用する場合は、グループごとに皆で使う共用物(文房具・ケーブル類など)の収納を、用意するとよいでしょう。
サブモニターもデスクに固定するのではなく、折りたたみ可動式のものを用意し、貸出する仕組みにすると、個人でスペースを持つ必要性が低くなります。
逆に固定席にする場合は、個人用の収納はやはり必要です。
以前からある、キャビネット式の収納が、今も変わらず便利に使えます。
3.必要な設備
デスクに必要な設備の1つが、電源です。
デスクに家具コンセントとして仕込まれているタイプもあれば、床下からOAタップをデスクの中に配線して、デスク上に持ってくるタイプもあります。
どちらが優れているということはないので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
また職場によっては、有線LANや電話線が必要になることもあります。
4.デスクトップパーティションの有無
デスクにデスクトップパーティションがあると、従業員ごとのパーソナルスペースが確保され、心理的に安心感が高まります。
いっぽう、デスクトップパーティションは“壁”であり、隣の人とコミュニケーションを取りづらくなる、という側面もあるため、まさに「一長一短」だといえます。
執務のタイプに合わせて、デスクトップパーティションの有無を選択するとよいでしょう。
従業員それぞれがグッと集中して行う執務なら、デスクトップパーティションがあると有効です。
また、周りと連携して進める執務なら、デスクトップパーティションはないほうが、はかどります。
5.天板の色や素材
オフィスのデスクは、オフィス空間全体において、かなりの面積を占めることになります。
なかでも天板は、視界の中で占める面積が非常に広いため、空間全体を考える中で「どういう天板にするのか?」という判断が、とても重要です。
天板のカラーは、基本的にはインテリアとの兼ね合いを重視して選びます。
加えて、天板はモニターを見る時に視界に入るため、目が疲れない色味は意識すべきです。
ベージュ・ブラウン・グレーなどの色味は目が疲れにくく、逆に赤など奇抜な色味は目が疲れます。
「ダークカラーのデスクは空間に馴染まないのではないか」という疑問ですが、空間全体で色味・明るさのバランスが取れているなら、問題ありません。
ちなみに、真っ白な天板のデスクは、減ってきています。
(色を正確に判断する必要があるデザイナーやアパレル系の方には、変わらず白が好まれる傾向があります。)
代わりに、木目調のナチュラルカラーが台頭してきました。
「オフィスにナチュラルなイメージを取り入れたい」や、「心地よさを重視したい」などが、理由として挙げられます。
なお、デスクの天板は平たいため、照明の当たり具合によっても、大きく印象が変わります。
どのように照明の光が反射するのか、どのような色味になるのか、具体的にイメージできるとよいでしょう。
ショールームなどで、デスクの現物を見ることができるなら、見ておきましょう。
天板とは別に、デスクの脚の色が選べる場合もありますが、色を入れ過ぎると飽きやすくなってしまうため、慎重に選びましょう。
「突板」を天板に使ったサステナビリティなデスクもあり
オリバーでは、「突板(つきいた)」という天然木を薄くスライスした板を表面材に用いたデスクを、ご提案することがあります。
本物の木材を使用しているため手触りが良く、天板は毎日触れる部分であることを考えると、とても優れた製品です。
本質・本物を極めていくという世の中の流れにおいて、サステナビリティを意識して本物の木のデスクを選択するというのも、1つのよい判断です。
様々な形のオフィスデスク
いわゆる一般的な片袖机・両袖机以外にも、オフィスデスクには様々な形があります。
そのうちの1つが、ハイポジションのデスクです。
現在、通常のデスクは高さ720mmが標準になっています。
この標準の高さよりもさらに高い、900~1,000mmのデスクが、いわゆるハイポジションデスクとなります。
ハイポジションデスクのメリットには、
- 体への負担を軽減できる
- リフレッシュできる
- 集中力が向上する
- 眠気を抑えられる
といったことが、挙げられます。
導入の際は、オフィスのデスクすべてをハイポジションデスクにするのではなく、一部にハイポジションデスクを入れるというイメージです。
他にもオンライン会議の音を対策できるデスク、様々な働き方に柔軟に対応できるデスクなどがあり、またそれに合った椅子もあります。
推進する働き方や、今のオフィスの課題を複合的に考えて、最適なデスク・椅子を選びましょう。
なお、オフィスのデスクを入れ替えするのと同時に、オフィスの音の問題(「オンラインミーティングの音が気になる」など)も、検討するとよいです。
<関連コラム>
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オフィスデスクを導入する際に検討する順番
以下では、「オフィスデスクの選び方について、漠然としていてよくわからない」という企業担当者さまに向けて、デスクを検討する順番について、解説します。
なお、ただデスクを入れ替えるのではなく、オフィス全体の変更の一環として、デスクも変えることをイメージしています。
コンパクトなオフィスの場合
- エントランスまわりのレイアウトを考える
- 会議室の数や社長室の有無など、個室の数を決める
- 残ったスペースで執務スペースと、社内打ち合わせゾーンについて考える
- 社員数に対して出社率を検討し、必要な席数を考える
- そのうち何人が、しっかりとしたデスクで働く必要があるのか考える
(ノートPCさえ置けたらいい席があると思われる) - Web会議をする席が必要か考える
- アイデアを生み出すようなスペースが必要か、必要ならどのくらい必要か考える
- デスクレイアウトはどうするか考える
- そのレイアウトにあったデスクのサイズはいくつか考える
フロア全体から検討を始める時、「執務スペースをどのくらいの面積にするか?」というところからは通常考えず、先にエントランスや個室について決めて、残ったスペースを執務スペースにします。
大規模なオフィスの場合
余白が大きくレイアウトの幅が広い大きなオフィスの場合では、まず「現在のオフィスで発生している課題は何か?」を考えます。
- モニターが欲しい
- 隣同士の距離が近い
- オンラインミーティングを自席で行うとうるさい
など、ヒアリングにより様々な課題が挙がるでしょう。
もっと大きな課題では、
- 業績が良く、人手が足りない
- 人手を増やしたいが、席が足りない
といったこともあります。
上記のような場合に大切なのは、オフィスの拡張性です。
レイアウト変更がしやすいもの、後から容易に追加できるようなものを選ぶとよいです。
例えばロングデスクだけではなく、単体デスクを並べて移動しやすいようにすると、社員数の増加に対応しやすくなります。
将来のオフィスレイアウト変更を見越したデスク選択が重要
オフィスは一度レイアウトを決めても、将来的にレイアウト変更をおこなうことのほうが多いです。
なぜなら増員・減員や働き方の変化など、オフィスの使い方が変化していくためです。
レイアウトの変更を見越して、すべてのデスクが同じものである必要はありません。
同じデスクだけでは、見た目は統一感があるものの、レイアウトに制限が出やすいです。
様々なタイプのデスクがあったほうが、レイアウトの幅が広がり、座席を足したり・引いたりすることが容易になります。
大きいデスクに小さいデスク、四角いデスクに六角形のデスクなど、様々なデスクがあるとよいでしょう。
多角形デスク
空間のシンボルとなるような多角形デスク。
見た目にインパクトのある多角形のデスクは、執務空間に変化をもたらします。
また、その見た目だけでなく、
- お互いの視線が向かい合わないことから集中して作業を行うことができる
- 必要な時にはチームでコミュニケーションをとりながら働くことができる
といった「チーム」と「個」の働き方を両立する機能も持っています。
→ 多角形デスク「S・TT-G774 / S・LS-G774」を見る
五角形デスク
ハイポジションとノーマルポジションの2つの高さバリエーションのある、五角形デスク。
ハイポジションの場合は、さっと集まって短時間のミーティングを行うようなシチュエーションに適しています。
ノーマルポジションであれば、個人の執務デスクとしても使用することができます。
また数台繋げて並べることで、様々なレイアウトを組むこともできます。
→ 多角形デスク「S・TT-C488 / S・LS-C488」を見る
ロングデスク
もちろん選択肢の1つではありますが、ABWのような様々な働き方を実現したいオフィスであれば、ロングデスク一択ではなく、様々な大きさ・高さ・形のデスクでオフィスを構成するのがよいです。
大きなロングデスクのみでレイアウトを構成すると、レイアウトの工夫がしづらくなってしまいます。
様々な大きさ・高さ・形のデスクで構成するほうが可変性が高く、オフィスの使い方の変化に対応しやすくなります。
→ ロングデスク「S・TT-B372 / S・LS-B372」を見る
その他にも、オリバーでは様々なタイプのデスクをご用意しております。
詳しくは以下をご覧ください。
まとめ
以上、オフィスの移転・改修を手がける株式会社オリバーが、
- 近年のオフィスデスクの使われ方の変化
- オフィスデスクの選び方の5つのポイント
- 様々な形のオフィスデスク
- オフィスデスクを導入する際に検討する順番
- 将来のオフィスレイアウト変更を見越したデスク選択が重要
について、解説しました。
デスクはオフィス全体のレイアウトに合うもの、さまざまな働き方に合った使い方ができるものを選ぶことがベストです。
また同じデスクで統一すると、レイアウト変更に対応しにくいので、大きさや形も様々なデスクがいくつかあるとよいでしょう。
オリバーでは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オフィス空間づくりにお困りの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
オフィスブランドPLACE2.5では、お客さまのビジョンを実現する、唯一無二のオフィス設計を行っています。
また当社では自社オフィスのオフィス見学を実施しています。
今回ご紹介したオリバーのオフィスは全て見学していただくことができます。
詳しくは以下のページをご覧ください。