オフィスの音問題を解決する方法は?うるさい環境を解決する前の注意点も紹介
オフィスの移転や改装に伴って、改善・向上したいのが「オフィスの音問題」です。
自社オフィスにおいて音環境に問題があり、「ミーティングがしにくい」「執務に集中できない」といった声が上がる時、どのように解決すればいいのか悩みますよね。
今回の記事では、オフィスの移転・改装を検討中の企業担当者様に向けて、
について、詳しく解説していきます。
オフィスの音環境に関して発生している課題
オフィスの音環境に関して発生している課題には、様々なものがあります。
近年増えているのは、「オンラインミーティング」が関係する課題です。
近年増えている「オンラインミーティング」の音の課題
コロナ禍を経て、業務にオンラインミーティングを取り入れる企業が増えました。
オンラインミーティングは大変便利ですが、“音環境”という観点では、対策が必要なことがいくつかあります。
なかでもよく聞くお悩みとして、「オンラインミーティングを自席でやっている従業員がいて、その声や立てる音がうるさい」ということがあります。
うるさいと他の従業員は業務に集中できず、オフィス内の生産性を下げてしまう懸念もあります。
オンラインミーティングをしている従業員にとっても、周囲の音がマイクを通して相手に聞こえてしまうため、スムーズなミーティングを妨げてしまうこともあります。
また、「大事な情報が漏れてしまうのではないか?」「情報が守れていない」という声も多いです。
オンラインミーティングの中で、個人情報についてやり取りする可能性は低いかもしれません。
しかし、やり取りしている企業名やそこからの要望、こちらからの提案などは、会話の中によく含まれます。
社内なので情報が伝わっても問題がない場合もありますが、「関係者以外に情報を漏らしてはいけない(社内の者であっても)」という契約を結んでいる場合もあって、後者の場合はオンラインミーティングの声が聞こえることに問題があります。
「オンラインミーティング」の音の課題の解決策
オンラインミーティングのやり取りが聞こえること・騒音が気になることの解決策として、完全個室を用意することが挙げられます。
しかし実現に至っていない、もしくは一応実現はしているが数が足りないという企業が多いようです。
かといって、執務室などのオープンな場所でオンラインミーティングを行うと、周囲の騒音が原因で、画面越しのお客さまはこちらの声を聞き取りづらくなってしまいます。
「完全個室を作る(増やす)ことは難しい」という場合には、別の角度からの解決策を考えることになります。
これについては、後ほど詳しく解説します。
音の課題は「従業員満足度」や「生産性」に関係する
出社率に直結するとまでは言いませんが、オフィスの音の課題があるままだと、従業員が「集中して働く場所がない」と感じたり、「働きにくい」と感じたりする可能性があります。
逆に、音の課題が解決されていれば、「集中して働くことができる」「働きやすい」などと、会社に対する従業員満足度が高くなることが期待できます。
また、
- 社内ミーティングがうまくできない
- オンラインミーティングがうまくできない
- 執務に集中できない
といった課題があると、各タスクのスピードや完成度が落ち、総合的に生産性が下がることが考えられます。
よって、オフィスの音の課題の解決は、オフィス改善の中でも優先度が高い事項だと言えるのです。
オフィスの音環境を良くするための3つの方法
- 音響による工夫
- 遮音・吸音による工夫
- ゾーニング・レイアウトによる工夫
オフィスの音環境を良くするためには、大きく分けて3つの方法があります。
それぞれの方法について、以下で詳しく解説します。
1.音響による工夫
音響を工夫することで、周囲の雑音が気にならなくなり、「居心地が良い」と感じられることがあります。
例えば、株式会社JVCケンウッドが企画・発売している『KooNe(クーネ)』は、高音質・広帯域のハイレゾ・クオリティでレコーディングした、森・川・波などの豊かな自然音を提供することで、居心地の良い空間を創造し、リラックスできる環境を創出するサービスです。
自然音には、ストレスの軽減・気分の改善・認知能力の向上などの効果があると考えられています。
自然音をオフィスのBGMとして取り入れることで、従業員のメンタルヘルスに配慮でき、生産性だけでなく企業価値の向上にも繋がるだろうと、期待されています。
またオフィスのBGMは、「KooNe」のような自然音に限らなくてもよく、落ち着いたインストゥルメンタルを流したり、あえてノイズを流す(騒音をカバーする概念で「サウンドマスキング」とも呼ばれます)ことも有効です。
2.遮音・吸音による工夫
遮音・吸音性能を重視した内装工事や、設備の設置を行うことで、オフィスの音環境は良くなります。
遮音でいうと、グラスウール(ガラスを高温で溶かしミクロン単位の細い繊維にして綿状にしたもの)を壁や天井に入れることによって、騒音は軽減します。
また吸音でいうと、吸音パネルを壁に貼り付けることによって、オフィス内の音の反響を和らげ、音の伝わりを明瞭にする効果が期待できます。
先に述べたように、音の課題を解決するための大きな有効打になるのは、完全個室の設置です。
オリバーの個室ブース『CAP-CELL Lite(カプセル ライト)』は、個室のような集中ブースでありながら、閉塞感が少なく、快適に過ごせるようなデザインが特長です。
個室ブース内は外部の音圧と比較して、約20dB軽減される適度な遮音性を実現しており、周囲を気にせず集中して業務やオンラインミーティングを行うことができます。
内部に吸音素材を使用していることによって、音の反響も気になりません。
また、専用のエアコン付きソファを追加することで、夏でも快適に過ごすことができます。
→ オリバー『CAP-CELL Lite(カプセル ライト)』の詳細はコチラ
3.ゾーニング・レイアウトによる工夫
コミュニケーションを活性化するスペースと、集中して執務を行うスペースを分ける工夫は、音環境の向上に寄与します。
また、ゾーニング・レイアウトと関連することとして、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の推進も、音環境を向上させるための1つの手段です。
ABWとは、その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所を自由に選択する働き方のことを指します。
ABWの一環でクワイエットゾーンを作ったり、オンライン禁止ゾーンを作ったりする企業もあります。
運用には工夫が必要ですが、検討するとよいでしょう。
音問題を解決する仕組みを導入する前の注意点
音問題を解決するためには、少なからずコストがかかります。
「半個室を導入したが、思っていたより音が漏れる」であったり、「スチールパーティションを立てたが効果を感じられない」といった後悔をしないためにも、導入前にしっかり注意すべきことがあります。
特に2点、大切なのは、
- しっかりした設計会社に依頼し、しっかりしたメーカーの製品を導入すること
- 製品は実際に体感すること
です。
カタログなどに掲載されている「〇〇dBの騒音を削減」といった客観的(数値的)情報も重要ですが、実際に音を感じ取るのは“自分の感覚”ですので、ショールームなどで製品を体感しておくに越したことはないです。
オリバーのオフィス見学では、オフィスの音問題を解決するための様々な設備を、実際に体験していただけます。
詳細は、コチラをご覧ください。
オリバーの考えるオフィスの音対策
オリバーの強みは、音環境を良くするための製品ラインナップが豊富なこと、そして設計知識が豊富なことです。
これまでに数多く、オンラインミーティングにしっかり対応したオフィスの設計を手がけてきました。
- 個室を作るのか、ブースにするのか
- ブースにするなら、いくつ導入するのか
- どんなタイプのブースがいいのか
- どこにブースをレイアウトするのか
など綿密に協議をして、詳細を決めていきます。
さらに、音環境と見た目のバランスも、よく考えます。
例えば近頃はスケルトン天井が流行っており、要望を多く受けるのですが、スケルトン天井には音が伝わりやすいというデメリットがあります。
要望にただ答えるだけなら簡単ですが、当社の場合、「音の問題や、原状回復費用が高いなどのデメリットがありますが、それでもスケルトン天井にするべきか」というところから、お話を進めていきます。
まとめ
以上、オフィス移転・改修を手がける株式会社オリバーの視点から、
- オフィスの音環境に関して発生している課題
- オフィスの音環境を良くするための3つの方法
- 音問題を解決する仕組みを導入する前の注意点
について、ご紹介しました。
オフィスの音環境は、「従業員満足度」や「生産性」に関係します。
実現可能な対策・優先度が高い対策から、積極的に導入していきたいところです。
音環境を良くするための設備を導入する場合は、導入前に1度体感しましょう。
そうすれば、「導入してみたけれど、効果が薄い(わからない)」といった、後悔は防ぐことができるはずです。
オリバーでは、オフィス移転・改装のプロジェクトを数多く手がけています。
オフィス空間づくりにお困りの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
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